プロとしての自覚
店舗のオープニング準備に携わって数ヶ月。
その店舗も先週プレオープン、そして土曜日にグランドオープンを迎えた。
土・日はおかげさまで大盛況、スタッフの皆さんも一生懸命に動いてくれた。
たくさんのお客様にアピールしようと、全員が積極的に声を出していた。
教育に携わった私もフォローで参加していたので積極的に声を出した。
終了した時に少しだけ喉に違和感があった。
心に一抹の不安が過ぎった。
『翌日からも毎日予定が入っている。特に講義が多い。大丈夫だろうか』
しかしそこは楽観的な私である。ビール片手に
「私は強いから平気。今日、ゆっくり睡眠をとれば大丈夫、大丈夫。
今週は休みなしだけどがんばろう」と無理やり自分に言い聞かせ
食事が終わった途端、ホッした安堵感からだろうか”バタンキュー”と眠りについた。
次の朝、声が出ない。
今日は午後から公共機関で講義だ。
どうしよう。
額に汗が流れた。
うがいを何度もした。
行きがけのコンビニでのど飴を購入。
ハチミツレモンがいいらしいので、ドリンクも購入。
薬局で喉スプレーを購入して、思い切り喉の奥に吹きかける。
会社へ行って少し経てば様子もよくなるだろうなんて甘い考えでいたのだが
よくなるどころか、更に悪化。
もともとハスキーな声の私であるが、
現況は、ハスキーを通り越して嗄れてしまっている。
のど飴をこれでもかと口にほおりこむ。
どうしよう。
なるべく声を出さないように時間を過ごす。
無常にも午前中は刻々と過ぎていく。
タイムリミットだ。
会場に向かう時間がきた。
まず、受講生の皆さんに謝らなければ。
午後の講義では冒頭に皆さんに謝罪した。
本当に申し訳ないという気持ちを伝え
普段はもう少し美声であると、不謹慎にも冗談を加えながら。
講義がはじまってみると、
本調子ではないが皆さんに迷惑がかからない程度の声が出て安心した。
『よかった。やっと喉スプレーと飴の効果が出てきた』
受講生の皆さんの広い心に助けられ、なんとか講義が終了した。
今日のことは多いに反省しなければならない。
仮にも講義をして報酬を貰っているという『プロとしての自覚』に欠けていた。
自分で勝手に大丈夫と決めつけて、問題を軽視しすぎていた。
無理をしすぎると必ずどこかに歪がくるものだ。
若いときはそれが少ないが、年を重ねるごとに大きくなっている。
自分が思うほど自分の体は強くないし若くもない。
まず、それに気づいて認めなくては。
「もしかして、ビールを飲んだことが喉の悪影響に輪をかけたんじゃないの」
えっ、そうなの。じゃあ、ほとんど私の不注意じゃん。うわ~
本当に受講生の皆様、ごめんなさい。
こんな講師をお許しください。
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